【二次関数】係数の符号の決定、グラフから符号を決めるポイントを解説!

今回は二次関数の単元から「係数の符号の決定」という問題について解説していきます。

 

符号の決定とは、次のような問題のことをいいます。

【問題】

二次関数y=ax^2+bx+c のグラフが下の図のようになっているとき、次の値の符号を求めなさい。

(1)a (2)b (3)c (4)b^2-4ac (5)a+b+c (6)a-b+c

 

グラフをどのように読み取れば、それぞれの係数の符号を決めることができるのか。

最初に結論をまとめてしまうと以下の通りです。

aの符号グラフの上凸、下凸から判断する
bの符号軸の位置から判断する
cの符号y軸との交点の座標から判断する
b^2-4acの符号グラフのx軸との共有点の個数から判断する
a+b+cの符号x=1 のときのy座標から判断する
a-b+cの符号x=-1のときのy座標から判断する

 

それでは、それぞれのポイントと細かい解説をしていきます(^^)

今回の内容は動画でも解説しているので、サクッと理解したい方はこちらをどうぞ!

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符号の決定(aの考え方)

aの符号グラフの上凸、下凸から判断する

 

二次関数の式 y=ax^2+bx+c において、x^2の係数であるaの符号はグラフの形によって決まります。

このように

上に凸の放物線であれば a>0

下に凸の放物線であれば a<0 となります。

 

よって、今回の問題であれば

グラフは下に凸となっているので、a>0 となります。

答え

a>0

 

符号の決定(bの考え方)

bの符号軸の位置から判断する

bの符号を判断するためには、二次関数y=ax^2+bx+cの軸が\displaystyle{-\frac{b}{2a}} と表せることを知っておく必要があります。

なんでこんな式になるんだっけ?と思った方は、y=ax^2+bx+c を平方完成して頂点を求めてみると上のような式になっていることを確かめれます。

だけど、計算が面倒なので…この式は覚えておいたほうがよいです(^^)

 

そして、この軸の式と用いてb の符号を決定していくんだけど、手順としては次の通りです。

まずは、軸の位置に注目。

軸の符号を決定します。

 

次の(1)で求めたaに符号を取り入れて考えていきます。

今回の問題では a>0 だったので

このように、2a は正になるということが分かります。

 

このことを頭に入れておいて、次の不等式を解いていきましょう。

\begin{eqnarray} -\frac{b}{2a}&>&0\\[5pt]-\frac{b}{2a}\times 2a&>&0\times 2a\\[5pt]-b&>&0\\[5pt]b&<&0\end{eqnarray}

よって、答えはb<0 となります。

答え

b<0

 

符号の決定問題の中で、一番難しいのがbですね(^^;)

まずは、軸の式x=-\frac{b}{2a} を覚えておくこと。

a の符号を考えながら不等式を解く必要があること。

この2点が慣れるまでは大変かと思います。

何度も練習して身につけていきましょう。

記事の最後には練習問題を用意しているのでご活用ください。

符号の決定(cの考え方)

cの符号y軸との交点の座標から判断する

cの符号はとっても簡単!

二次関数y=ax^2+bx+c において、x=0 を代入したときのy座標がcです。

つまり、グラフでいうところのy軸との交点。

ここの符号を見れば、cの符号を判断することができます。

 

今回の問題であれば

y軸との交点がプラスの部分になっているので、c>0 であることが分かります。

答え

x>0

 

符号の決定(b^2-4acの考え方)

b^2-4acの符号グラフのx軸との共有点の個数から判断する

b^2-4ac っていう式は、どこかで見た覚えがあるよね。

そう、これは判別式だ!

なんだっけ…という方はこちらの記事で確認しておいてください。

【二次関数の判別式】x軸との共有点、グラフの位置関係を考える問題を解説!

 

簡単にだけ説明しておくと

判別式であるb^2-4ac の符号によって、共有点の個数を判断することができるというものでした。

具体的には次のようになります。

 

つまり

共有点が2個ならb^2-4ac>0

共有点が1個ならb^2-4ac=0

共有点が0個ならb^2-4ac<0 というわけです。

 

今回の問題では、判別式であるb^2-4ac の符号を決定したいので、グラフから共有点の個数を読み取ります。

すると、共有点は2個であることが分かりますね。

よって、答えはb^2-4ac>0 となります。

答え

b^2-4ac>0

 

符号の決定(a+b+cの考え方)

a+b+cの符号x=1 のときのy座標から判断する

a+b+c とは、二次関数y=ax^2+bx+c において、x=1 を代入したときにでてくるy の値です。

実際にx=1 を代入すると、次のようになるよね。

\begin{eqnarray} y&=&a\times 1^2+b\times 1+c=a+b+c\end{eqnarray}

 

なので、今回の問題では

x=1 のときのy座標は負であることが読み取れるので

答えは、a+b+c<0 となります。

答え

a+b+c<0

 

符号の決定(a-b+cの考え方)

a-b+cの符号x=-1のときのy座標から判断する

a-b+c とは、二次関数y=ax^2+bx+c において、x=-1 を代入したときにでてくるy の値です。

実際にx=-1 を代入すると、次のようになるよね。

\begin{eqnarray} y&=&a\times (-1)^2+b\times (-1)+c=a-b+c\end{eqnarray}

今回の問題では、x=-1 の場所がハッキリとは分かりませんが

x<0 となる部分では、常にy座標が正になっていることから、x=-1のときも正になると判断できますね。

よって答えは、a-b+c>0 となります。

答え

a-b+c>0

 

係数の符号決定【練習問題】

【問題】

二次関数y=ax^2+bx+c のグラフが下の図のようになっているとき、次の値の符号を求めなさい。

(1)a (2)b (3)c (4)b^2-4ac (5)a+b+c (6)a-b+c

解説&答えはこちら

答え

(1)a<0 (2)b>0 (3)c<0 (4)b^2-4ac>0 (5)a+b+c>0 (6)a-b+c<0

(1)グラフが上に凸だから、a<0

(2)-\frac{b}{2a}>0a<0 なので、b>0

(3)y軸との交点が負だから、c<0

(4)x軸との共有点が2個なので、b^2-4ac>0

(5)x=1のときのy座標が正なので、a+b+c>0

(6)x=-1のときのy座標が負なので、a-b+c<0

まとめ!

お疲れ様でした!

それぞれの符号の決め方について理解できましたか?

やっぱり一番難しいのは、bの符号だね

ここはたくさん問題をこなして理解を深めておこう。

 

他の符号に関しては、見た目で判断するものばかりなので

テストでも得点源になるラッキー問題だね(^^)

 

こちらの記事も合わせてどうぞ!

 

3 件のコメント

  • 匿名 より:

    とてもわかりやすくてたすかりました(^▽^)/

    • 数スタ小田 より:

      お役に立てて良かったです^^

  • ともなみ より:

    わかりやすかったです!

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