今回は、高校数学Ⅰで学習する二次関数の単元から平行移動に関する以下の問題について解説していきます。
問題
グラフが放物線\(y=-3x^2+2x+1\)を平行移動したもので、点\((1,1)\)と点\((2,-8)\)の2点を通る二次関数の式を求めなさい。
問題を解くためのポイント!
この問題を解くためには2つのポイントをおさえておく必要があります。
二次関数の式の形
まず、二次関数の式を作るうえで
式の形を覚えておく必要があります。
一般形$$\LARGE{y=ax^2+bx+c}$$基本形$$\LARGE{y=a(x-p)^2+q}$$
二次関数の式を作るためには、上の2つの形どちらかを利用していくこととなります。
問題文に、頂点や軸などの情報があれば基本形を。
座標などの情報のみであれば一般形を利用していくこととなります。
今回の問題であれば、頂点や軸などの情報は与えられていないので標準形の式を利用していきます。
平行移動した放物線は、aが等しい
次におさえておきたいポイントは
平行移動された式は\(x^2\)の係数である\(a\)の値が等しい。
という点です。
つまり、今回の問題では
『グラフが放物線\(y=-3x^2+2x+1\)を平行移動したもので…』
という部分から
『新たに作りたい二次関数の式の\(a\)は-3になる』
ということが読み取れます。
問題解説!
それでは、ポイントをおさえた上で先ほどの問題を解説していきます。
問題
グラフが放物線\(y=-3x^2+2x+1\)を平行移動したもので、点\((1,1)\)と点\((2,-8)\)の2点を通る二次関数の式を求めなさい。
グラフが放物線\(y=-3x^2+2x+1\)を平行移動したもので…
という部分から、新たに作りたい式は\(a=-3\)であることが分かります。
よって、標準形の式を利用して
$$y=-3x^2+bx+c$$
という形が作れます。
あとは、\(b, c\)の値が分かれば完成ですね。
そこで、点\((1,1)\)と点\((2,-8)\)の2点を通ることを利用します。
それぞれの座標を\(y=-3x^2+bx+c\)に代入してやると
$$1=-3+b+c $$
$$b+c=4 …①$$
$$-8=-12+2b+c $$
$$2b+c=4 …②$$
①②の式を連立方程式で解いてやると
$$b=0, c=4$$
となることから
答えは \(y=-3x^2+4\) となります。
解法手順
- \(a\)の値を決めて、仮の式を作る
- 仮に作った式に座標を代入
- 連立方程式を解いて\(b,c\)を求める
- 完成!
演習問題で理解を深める!
問題
グラフが放物線\(y=x^2-3x+2\)を平行移動したもので、点\((1,1)\)と点\((2,3)\)の2点を通る二次関数の式を求めなさい。
問題
グラフが放物線\(y=2x^2+3x+5\)を平行移動したもので、点\((1,7)\)と点\((-1,5)\)の2点を通る二次関数の式を求めなさい。
まとめ
お疲れ様でした!
平行移動した放物線が2点を通る…というような問題では
『\(a\)の値が等しくなる』
というのが解法のポイントでしたね!
しっかりと覚えておきましょう^^
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