高校数学Ⅰで学習する2次関数の単元から
「2次方程式の解の存在範囲」
について解説していきます。
- 異なる2つの正の解をもつ。
- 符号が異なる2つの解をもつ。
- 1と2の間に異なる2つの解をもつ。
などなど。
このように解の存在範囲から定数 \(a\) の値の範囲を求めていく問題の解き方についてまとめていきます。
この問題を考える上で大事なポイントは、
2次関数のグラフとして考え、
「判別式」「軸」「区間の端点の\(y\)座標」
この3点に着目して、条件を作っていくことです。
これら3つのポイントを省略して「判・軸・端」と呼んで覚えておくと便利です。
では、パターンごとに問題の解き方を解説していきます。
今回の内容はこちらの動画でも解説しています。
サクッと理解したい方はこちらをどうぞ(‘◇’)ゞ
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2次方程式の解の存在範囲
【問題】
\(x\) についての2次方程式 \(x^2-2ax-a+2=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
(1)異なる2つの正の解
(2)異なる2つの負の解
(3)符号が異なる2つの解
\(x\) についての2次方程式 \(-x^2+(m-10)x-m-14=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。
(4)異なる2つの解がともに1より大きくなる。
\(x\) についての2次方程式 \(x^2+kx+2k-1=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(k\) の値の範囲を求めよ。
(5)異なる2つの解が \(-2\) と \(5\) の間にある。
\(x\) についての2次方程式 \(x^2+(a-1)x-a^2+2=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
(6)1つの解が \(-2\) と \(0\) の間にあり,他の解が \(0\) と \(1\) の間にある。
これらの条件は丸暗記するのではなく、グラフのイメージ図をかいて自分で読み取れるようにしておきましょう。
(1)異なる2つの正の解
\(x\) についての2次方程式 \(x^2-2ax-a+2=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
(1)異なる2つの正の解
まずは、異なる2つの正の解をもつような放物線のグラフをかいてみましょう。
区間の端点は \(x=0\) のところであり、「判・軸・端」の3つの条件が作れますね。
条件を作ることができたら、それぞれの条件から \(a\) の範囲を求め、最後に共通部分をとっていきましょう。
(2)異なる2つの負の解
\(x\) についての2次方程式 \(x^2-2ax-a+2=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
(2)異なる2つの負の解
こちらもイメージ図をかいて考えていきます。
すると、次のような条件を作ることができます。
(1)とは、軸の正負が変わっただけですね。
よって、このように範囲を求めることができました。
(3)符号が異なる2つの解
\(x\) についての2次方程式 \(x^2-2ax-a+2=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
(3)符号が異なる2つの解
区間の端点をはさみこむように解が存在する場合、これはラッキー問題となります!
通常であれば「判・軸・端」の3つの条件を考える必要があるのですが、今回のように端点をはさみこむ場合には「端」のみを考えればOKとなります。
(4)異なる2つの解がともに1より大きくなる。
\(x\) についての2次方程式 \(-x^2+(m-10)x-m-14=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
(4)異なる2つの解がともに1より大きくなる。
こちらもイメージ図をかいて考えましょう。
今回は区間の端点が \(x=1\) となっていることを踏まえて、3つの条件を作っていきます。
(5)異なる2つの解が \(-2\) と \(5\) の間にある。
\(x\) についての2次方程式 \(x^2+kx+2k-1=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(k\) の値の範囲を求めよ。
(5)異なる2つの解が \(-2\) と \(5\) の間にある。
端点が\(-2\)、\(5\) のの2つあることに注意して3つの条件を作っていきましょう。
(6)1つの解が \(-2\) と \(0\) の間にあり,他の解が \(0\) と \(1\) の間にある。
\(x\) についての2次方程式 \(x^2+(a-1)x-a^2+2=0\) が次のような解をもつとき,定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
(6)1つの解が \(-2\) と \(0\) の間にあり,他の解が \(0\) と \(1\) の間にある。
2つの解が、どこの間にあるかを具体的に指定されている場合、次のように端点の符号から条件を作っていきましょう。
まとめ!
お疲れ様でした!
2次方程式の解の存在範囲は、入試でも頻出の問題です。
冒頭でも述べましたが、大事なポイントは「判・軸・端」です。
イメージ図のグラフをかいて、3つの条件をチェックしていくようにしましょう(/・ω・)/
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