【数学A】約数の個数と総和を求める公式は?問題を使って解説!

高校数学Aで学習する場合の数の単元から

「約数の個数と総和の求め方」

についてサクッと解説していきます。

 

取り上げる問題はこちら!

【問題】

5400の正の約数は全部で何個あるか。

また,その約数の和を求めよ。

今回の問題はこちらの動画でも解説しています!

サクッと理解したい方は動画がおススメ^^

約数の個数の求め方と公式

【問題】

5400の正の約数は全部で何個あるか。

約数の個数を求めるには、まず素因数分解をします。

素因数分解ができたら、各パーツ(\(2^3, 3^3, 5^2\))の約数を考えます。

\(2^3\) の約数 ⇒ \(2^0=1\), \(2^1=2\), \(2^2=4\), \(2^3=8\) の4個

\(3^3\) の約数 ⇒ \(3^0=1\), \(3^1=3\), \(3^2=9\), \(3^3=27\) の4個

\(5^2\) の約数 ⇒ \(5^0=1\), \(5^1=5\), \(5^2=25\) の3個

 

よって、約数の個数は

$$4\times 4\times 3=\color{red}{48個\cdots(解)}$$

となります。

 

【約数の個数を求める公式】

\(N=p^aq^br^c \) のとき

\(N\) の正の約数の個数は, \((a+1)(b+1)(c+1)\) 個。


 

なぜ、このような計算方法で約数の個数が求めれるのでしょうか。

ここでポイントとなるのが、

正の約数は、素因数分解で出てきた数の組み合わせによって作れる。

という点です。

例えば、20の正の約数であれば素因数分解すると、\(2^2\times 5\) となります。

よって、約数は \(1,2^1,2^2\) と \(1,5^1\) の組み合わせによって作ることができるので

このように表すことができます。

このことから、素因数分解ででてきたパーツの個数を調べ、それらを掛けあわせることで約数の個数を求めることができるってわけです。

 

約数の総和の求め方と公式

【問題】

5400の正の約数の約数の和を求めよ。

\(5400=2^3\times 3^3\times 5^2\) となることから

$$\begin{eqnarray}&&(1+2^1+2^2+2^3)(1+3^1+3^2+3^3)(1+5^1+5^2)\\[5pt]&=&(1+2+4+8)(1+3+9+27)(1+5+25)\\[5pt]&=&15\times 40\times 31=\color{red}{18600\cdots(解)} \end{eqnarray}$$

約数の総和を求めるには、素因数分解したときにでてくる同じ素因数のパーツの総和を掛けたものになります。

 

【約数の総和を求める公式】

\(N=p^aq^br^c \) のとき

\(N\) の正の約数の総和は,

\((1+p+ \cdots +p^a)(1+q+ \cdots +p^b)(1+r+ \cdots +r^c)\)

 

なぜこのようなやり方で約数の総和を求めることができるのでしょうか。

\(20\)の約数の総和を用いて考えてみましょう。

\(20=2^2\times 5\) であることから、

20の約数は、\(1\cdot1\), \(1\cdot 5\), \(2^1\cdot 1\), \(2^1\cdot 5^1\), \(2^2\cdot 1\), \(2^2\cdot 5^1\) と表すことができます。

つまり、約数の総和を求めるには次のような式ができます。

$$\begin{eqnarray}&&1\cdot1+1\cdot 5^1+ 2^1\cdot 1+2^1\cdot 5^1+2^2\cdot 1+2^2\cdot 5^1\\[5pt]&=&1(1+5^1)+2^1(1+5^1)+2^2(1+5^1)\\[5pt]&=&(1+2^1+2^2)(1+5^1)\end{eqnarray}$$

このことから、上で紹介したやり方で総和を求めることができる理由がわかりますね!

 

練習問題に挑戦!

【問題】

(1)60の正の約数の個数と約数の総和を求めよ。

(2)2000の正の約数の個数と約数の総和を求めよ。

解答・解説はこちら

答え

(1)\(12個\),\(168\)

(2)\(20個\),\(4836\)

 

【追記】偶数であるものの個数は?

ご質問いただいたので、こちらの問題解説を追記しておきます!

360の正の約数のうち偶数であるものは何個あるか、また総和はいくらになるか

偶数は必ず2を因数に持つ。

というのがポイントになります。

 

なので、必ず2が1つ以上選ばれるように \(2^0\) になるパターンを排除して計算していけばOKです。

 

総和についても \(2^0\) を排除した形で式を作っていけばOKです!

 

今回は偶数だったので2の素因数に注目しましたが、3の倍数なら3の素因数、5の倍数なら5の素因数にそれぞれ注目していけば同様のやり方で求めることができますよ^^

まとめ!

お疲れ様でした!

約数の個数や総和を求める方法は、その場で思いつくってことはちょっと難しいです。

そのため、やり方を身につけてサクッと解けるようにしておいた方がラクですね。

そこまで複雑な手順ではありませんので、たくさん問題を解いてやり方を覚えておいてくださいね!

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