高校数学Aで学習する場合の数の単元から
「硬貨を使って支払える金額は何通り?」
について、パターン別に解説していきます。
取り上げる問題はこちら!
【問題①】(使わない硬貨があってもよい)
500円,100円,10円の3種類の硬貨がたくさんある。この3種類の硬貨を使って,1200円を支払う場合の数を求めよ。ただし,使わない硬貨があってもよいものとする。
【問題②】(すべての硬貨を使う)
100円,50円,10円の3種類の硬貨をどれも使って,ちょうど420円を支払う場合の数を求めよ。
【問題③】(支払える金額を求める)
次のような枚数の硬貨があるとき,そのうちの一部または全部を用いてちょうど支払うことのできる金額は何通りあるか。
(1)100円硬貨4枚,50円硬貨1枚,10円硬貨3枚
(2)100円硬貨2枚,50円硬貨2枚,10円硬貨3枚
(3)100円硬貨1枚,50円硬貨2枚,10円硬貨6枚
Contents
【問題①】(使わない硬貨があってもよい)
支払いに使う500円,100円,10円硬貨の枚数をそれぞれ \(x\), \(y\), \(z\)枚とすると,
\(500x+100y+10z=1200\) と表すことができます。
これを満たす \((x,y,z)\) の組み合わせを数え上げていきましょう。
\(x,y,z\) はすべて0以上であるから
一番金額の大きい500円硬貨の枚数\(x\) に着目すると、
\(x=0,1,2\) の3パターンしかないってことが分かります。
\(x=3\) になると1500円となり、1200円を超えてしまうのでダメですね。
\(x=0\) のとき
\(100y+10z=1200\) ⇒ \(10y+z=120\) となるので、
\((y,z)=(0,120), (1,110), \cdots ,(12,0)\) の合計13通り。
\(x=1\) のとき
\(100y+10z=700\) ⇒ \(10y+z=70\) となるので、
\((y,z)=(0,70), (1,60), \cdots ,(7,0)\) の合計8通り。
\(x=2\) のとき
\(100y+10z=200\) ⇒ \(10y+z=20\) となるので、
\((y,z)=(0,20), (1,10), (2,0)\) の合計3通り。
以上より、\(13+8+3=24\)通り。
答え
$$24通り$$
それぞれの枚数を文字で置いて式を作る。
大きい金額の硬貨に注目して、枚数のパターンを絞る。
そこから場合分けをしながら全パターンを求めるという流れです。
【問題②】(すべての硬貨を使う)
先ほどの問題①と同じようなパターンなのですが、
「硬貨をどれも使って」が注意すべき点です。
つまり、100円1枚、50円1枚、10円1枚は必ず使うということ、
さらに支払金額の端数である20円は、10円硬貨を使ってしか支払えないことを考慮すると、
\(100+50+20=170\)円分の支払い方法は確定しています。
それ以外(250円分)の支払い方法が何通りあるかを求めればよいってことになりますね。
このことを踏まえて問題①と同じように考えていきましょう。
残りの250円を支払うのに使う100円、50円、10円の枚数をそれぞれ \(x,y,z\)とすると
\(100x+50y+10z=250\) と表すことがでいます。
一番大きい金額の100円に注目すると、
\(x=0,1,2\) の3パターンしかないことが分かります。
\(x=0\) のとき
\(50y+10z=250\) ⇒ \(5y+z=25\) となるので、
\((y,z)=(0,25), (1,20), \cdots ,(5,0)\) の合計6通り。
\(x=1\) のとき
\(50y+10z=150\) ⇒ \(5y+z=15\) となるので、
\((y,z)=(0,15), (1,10), (2,5), (3,0)\) の合計4通り。
\(x=2\) のとき
\(50y+10z=50\) ⇒ \(5y+z=5\) となるので、
\((y,z)=(0,5), (1,0) \) の合計2通り。
以上より、\(6+4+2=12\)通り。
答え
$$12通り$$
すべての硬貨を使う場合には、あらかじめ確定している支払い分を取り除いて考えるようにしましょう。
【問題③】(支払える金額を求める)
次のような枚数の硬貨があるとき,そのうちの一部または全部を用いてちょうど支払うことのできる金額は何通りあるか。
(1)100円硬貨4枚,50円硬貨1枚,10円硬貨3枚
これは簡単です!
「それぞれの硬貨を何枚使うことができるか」を考えていけばOKです。
100円玉は4枚あるので使い方は
⇒ 0枚,1枚,2枚,3枚,4枚の5通り。
50円玉は1枚あるので使い方は
⇒ 0枚,1枚の2通り。
10円玉は3枚あるので使い方は
⇒ 0枚,1枚,2枚,3枚の4通り。
以上より、支払える金額は \(5\times 2\times 4-1=39\)通りとなります。
最後に、すべてが0枚となってしまう場合を引くことを忘れないようにしてくださいね!
答え
$$39通り$$
この問題は注意が必要!
「100円1枚 = 50円2枚」となり、同一金額を表しています。
このように使う硬貨の中で、同一金額を表すものが含まれている場合
(1)と同じように数えると重複したものがでてきてしまいます。
- 100円1枚、50円0枚、10円2枚 ⇒ 120円
- 100円0枚、50円2枚、10円2枚 ⇒ 120円
これらは硬貨の使い方は異なりますが支払金額が同じなので、1通りとカウントします。
そのため、このような重複を避けて場合の数を求めるために、
100円2枚を50円4枚に両替して、
⇒ 50円硬貨6枚、10円硬貨3枚
として考えるようにしてください。
すると、
50円玉は6枚あるので使い方は
⇒ 0枚,1枚,2枚,…6枚の7通り。
10円玉は3枚あるので使い方は
⇒ 0枚,1枚,2枚,3枚の4通り。
以上より、支払える金額は \(7\times 4-1=27\)通りとなります。
答え
$$27通り$$
使う硬貨の中で、同じ金額を表す硬貨がある場合には両替をしてから考えると重複を省いて場合の数を求めることができます。
「100円1枚 = 50円2枚」「50円1枚 = 10円5枚」となり、同一金額を表しています。
よって、すべての硬貨を10円に両替をして考えていきましょう。
100円1枚 ⇒ 10円10枚
50円2枚 ⇒ 10円10枚 なので、
100円硬貨1枚,50円硬貨2枚,10円硬貨6枚
⇒ 10円硬貨26枚
よって、
10円玉は26枚あるので使い方は
⇒ 0枚,1枚,…,26枚の27通り。
以上より、支払える金額は \(27-1=26\)通りとなります。
答え
$$26通り$$
まとめ!
お疲れ様でした!
金額に関する場合の数もいろんなパターンがありましたね。
特に問題③のように両替を必要とする問題は、一度やったことがある人でないと正解を導き出すのは難しいですね(^^;)
なので、今回の記事を通して知識をインプットしておいてくださいね(/・ω・)/
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