今回は、中3で学習する『平方根』の単元から
整数部分、小数部分の求め方・表し方について解説していくよ!
整数部分、小数部分というお話は
中学では、あまり深く学習しないかもしれません。
高校でちゃんと学習するから、ここは軽くやっとくねー
みたいな感じで流されちゃうところもあるようです。
なのに、高校では
中学でやってると思うから軽く飛ばすね~
え、え…
こんな感じで戸惑ってしまう人も多いみたい。
だから、この記事ではそんな困った人達へ
なるべーく基礎から分かりやすいように解説をしていきます。
では、いくぞー!
今回の内容はこちらの動画でも解説しています!今すぐチェック!
※動画の最後は高校数学の範囲になります。
整数部分、小数部分とは
整数部分、小数部分とは何か?
これはいたってシンプルな話です。
このように表されている数の
小数点より左にある数を整数部分
小数点より右にある数を小数部分といいます。
そのまんまだよね。
数の整数にあたる部分だから整数部分
数の小数にあたる部分だから小数部分という訳です。
整数部分の表し方
それでは、いろんな数の整数部分について考えてみよう。
さっきの数(円周率)であれば
整数部分は3ということになるね。
それでは、\(\sqrt{2}\)の整数部分はいくらになるか分かるかな?
\(\sqrt{2}=1.4142…\)ということを覚えていた人には簡単だったかな。
正解は1ですね。
でも、近似値を覚えてないと整数部分は求まらない訳ではありません。
$$\large{\sqrt{1}<\sqrt{2}<\sqrt{4}}$$
$$\large{1<\sqrt{2}<2}$$
このように範囲を取ってやることで
\(\sqrt{2}\)は1と2の間にある数
つまり、整数部分は1であるということが読み取れます。
近似値を覚えていれば楽に解けますが
覚えていない場合でも、ちゃんと範囲を取ってやれば求めることができます。
\(\sqrt{50}\)の整数部分は?
というように、大きな数の整数部分を考える場合には
近似値なんて、いちいち覚えていられないので範囲を取って考えていくことになります。
$$\large{\sqrt{49}<\sqrt{50}<\sqrt{64}}$$
$$\large{7<\sqrt{50}<8}$$
よって、整数部分は7!
近似値を覚えていれば、そこから読み取る
近似値が分からない場合には、範囲を取って読み取る
小数部分の表し方
次は、小数部分の表し方についてみていきましょう。
こちらは少しだけ厄介です。
なぜなら、先ほどの数(円周率)で見ていった場合
無限に続く小数の場合、\(0.1415926…\)というように正確に書き表すことができないんですね。
困っちゃいますね。
だから、小数部分を表すときには少しだけ発想を転換して
$$\large{\pi=3+0.1415926…}$$
$$\large{\pi-3=0.1415926…}$$
このように整数部分を移項してやることで
元の数から整数部分を引くという形で、小数部分を表してやることができます。
つまり、今回の数の小数部分は\(\pi-3\)となります。
では、ちょっと具体例をいくつか挙げてみましょう。
\(\sqrt{2}\)の小数部分は?
整数部分が1でしたから、小数部分は\(\sqrt{2}-1\)
\(\sqrt{50}\)の小数部分は?
整数部分が7でしたから、小数部分は\(\sqrt{50}-7\)となります。
(元の数)ー(整数部分)
分数の場合の求め方
それでは、ここからは少し発展バージョンを考えていきましょう。
\(\displaystyle \frac{\sqrt{15}}{2}\)の整数部分、小数部分は?
特に難しいわけではありません。
まずは、分数を無視して\(\sqrt{15}\)だけに注目してください。
\(\sqrt{15}\)の範囲を考えると
$$\large{\sqrt{9}<\sqrt{15}<\sqrt{16}}$$
$$\large{3<\sqrt{15}<4}$$
このように範囲を取ってやります。
ここから、全体を2で割ることにより
$$\large{1.5<\frac{\sqrt{15}}{2}<2}$$
このように問題にでてきた数の範囲を求めることができます。
よって、整数部分は1
小数部分は、\(\displaystyle \frac{\sqrt{15}}{2}-1\)となります。
分数の形になっている場合には
まずルートの部分だけに注目して範囲を取る
そこから分母の数で全体を割って、元の数の範囲に変換してやるというのがポイントです。
多項式の場合の求め方
それでは、もっと発展問題へ!
これは大学共通試験に出題されるレベルになってくるのですが
志の高い中学生の皆さんはぜひ挑戦してみましょう。
そんなに難しくはありませんから(^^)
これも先ほどの分数と同じように
ルートの部分だけに注目して範囲を取っていきましょう。
$$\large{\sqrt{4}<\sqrt{7}<\sqrt{9}}$$
$$\large{2<\sqrt{7}<3}$$
そこから分子の形を作るために全体に3を加えます。
$$\large{2+3<\sqrt{7}+3<3+3}$$
$$\large{5<\sqrt{7}+3<6}$$
最後に分母の数である2で全体を割ってやれば
$$\large{2.5<\frac{\sqrt{7}+3}{2}<3}$$
元の数の範囲が完成します。
よって、整数部分は2
小数部分は、\(\displaystyle \frac{\sqrt{7}+3}{2}-2=\frac{\sqrt{7}-1}{2}\)となります。
見た目が複雑になっても考え方は同じ
ルートの部分の範囲を作っておいて
そこから少しずつ変形を加えて元の数の範囲に作り替えちゃいましょう!
ルートの前に数がある場合の求め方
そして、最後はコレ!
見た目はシンプルなんですが
触るとトゲがあるといか、下手をするとケガをしちゃう問題なんですね。
そっきと同じようにルートの範囲を変形していけばいいんでしょ?
$$\large{\sqrt{4}<\sqrt{7}<\sqrt{9}}$$
$$\large{2<\sqrt{7}<3}$$
ここから全体に2をかけて
$$\large{4<2\sqrt{7}<6}$$
完成!
えーーっと、整数部分は…
あれ!?困ったことが発生していますね。
範囲が4から6になっているから
整数部分が4、5のどちらになるのか判断がつきません。
このようにルートの前に数がついているときには
今までと同じようなやり方では、困ったことになっちゃいます。
では、どのように対処すれば良いのかというと
$$\large{2\sqrt{7}=\sqrt{28}}$$
このように外にある数をルートの中に入れてしまってから範囲を取っていけば良いのです。
$$\large{5<\sqrt{28}<6}$$
よって、整数部分は5
小数部分は\(2\sqrt{7}-5\)となります。
ルートの外に数があるときには
外にある数をルートの中に入れてから範囲を取るようにしましょう!
【中学生向け】テストにでてくる問題をピックアップしました!
さて!ここまでのところで整数部分、小数部分の求め方は理解してもらえたと思います(‘ω’)ノ
というわけで、ここからは「テスト対策として演習をこなしておきたい」という方に向けて追加課題を用意しました。
実際に試験に出題された問題をピックアップしてみたので「テストではこのように問われるのか!」という実戦ならではのポイントを習得しておいてください!
今回の追加課題には、解説動画もつけているので数学が苦手な方でもしっかりと最後までやり切ることができますよ^^
がんばってくださいね!
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まとめ
お疲れ様でした!
今回の記事がすべて理解できれば、大学共通試験レベルの問題までであれば十分に対応することができます。
中学生であれば、分数の手前くらいまでちゃんと分かっていれば十分かな!
見た目は難しそうな問題ですが
考え方は至ってシンプルです。
あとはたくさん問題演習に取り組んで理解を深めていきましょう。
ファイトだー(/・ω・)/
ルートとは?平方根の求め方を解説!分数や小数の場合はどうやる?
ルートを整数にするnの値の見つけ方!素因数分解の利用がポイント!
整数部分、小数部分の求め方!分数の場合には?←今回の記事
とてもわかりやすくて、使えるなと思いました。ありがとうございました。また、困ったときは、数スタのサイトを開いて、勉強したいです。本当にありがとうございました
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