今回は取り上げる問題はこちら!
次の式を簡単にせよ
(1)\(\sqrt{5+2\sqrt{6}}\)
(2)\(\sqrt{9-\sqrt{72}}\)
(3)\(\sqrt{7+4\sqrt{3}}\)
(4)\(\sqrt{4-\sqrt{15}}\)
ルートの中にルートがあるんだけど!?
こういったルートの中にルートが入っている形を二重根号と言います。
見た目が難しそうな問題なんだけど
手順を覚えてしまえば超簡単!
今回は、この二重根号のはずし方の手順について学んでいこう!
今回の内容は、こちらの動画でも解説しています^^
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二重根号のはずし方
ルートの中にルートが入っているとき
$$\large{\sqrt{(a+b)+2\sqrt{ab}}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$$
$$\large{\sqrt{(a+b)-2\sqrt{ab}}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$$
$$(ただし、a>b)$$
このような手順で簡単にすることができます。
なんか文字で書かれていても分かりにくいから(^^;
実際に例題を使って説明していくね!
次の式を簡単にしてみましょう。
まずは、ルートの中にあるルートに注目します。
そして、因数分解をしたときのように
掛けて8、足して6になる数の組み合わせを考えます。
すると
\(4\times 2=8\)、\(4+2=6\)
ということから4と2という数の組み合わせが見つかります。
この数の組み合わせが見つかったら
$$\large{\sqrt{6+2\sqrt{8}}}$$
$$\large{=\sqrt{(4+2)+2\sqrt{4\times 2}}}$$
$$\large{=\sqrt{4}+\sqrt{2}}$$
$$\large{=2+\sqrt{2}}$$
このように式を簡単にしてあげることができます。
慣れてくれば、途中式なんてすっ飛ばして計算できるようになります(^^)
引き算のときも同様なのですが
ちょっとだけ気を付けておきたいことがあります。
では、次の式を簡単にしてみましょう。
先ほどと同様、数の組み合わせを見つけていきます。
すると3と4という組み合わせが見つかりますね。
よって
$$\large{\sqrt{7-2\sqrt{12}}}$$
$$\large{=\sqrt{(3+4)-2\sqrt{3\times 4}}}$$
$$\large{=\sqrt{4}-\sqrt{3}}$$
$$\large{=2-\sqrt{3}}$$
このようになるのですが
途中で気を付けておきたいポイントがありました。
それは、ココ!
$$\large{\sqrt{(3+4)-2\sqrt{3\times 4}}}$$
$$\large{=\sqrt{4}-\sqrt{3}}$$
二つのルートに分けるときには
必ず大きい数から小さい数を引くようにしてください!
$$\large{\sqrt{(3+4)-2\sqrt{3\times 4}}}$$
$$\large{=\sqrt{3}-\sqrt{4}}$$
必ず、(大)ー(小)になるように分けよう!
それでは、二重根号のはずし方を身につけたところで冒頭で紹介した問題の解説に移っていきます。
二重根号の問題解説!
それでは、それぞれの問題を解説していきます。
(1)基本問題
これは基本問題です。
掛けて6、足して5になる数の組み合わせを見つければOKですね。
$$\large{\sqrt{5+2\sqrt{6}}}$$
$$\large{=\sqrt{(3+2)+2\sqrt{3\times2}}}$$
$$\large{=\sqrt{3}+\sqrt{2}}$$
答え
$$\large{\sqrt{3}+\sqrt{2}}$$
(2)2を作り出すパターン①
次の問題は少し厄介…
なぜかというと、二重根号をはずすためには
ルートの前に2という数が必要になるからです。
今回の式を見てみると、二重ルートである72の前には何もついていないですね。
これでは、二重根号をはずすことができません…
困ってしまいます…
しかし、2がついていないのであれば
自分でつけてやればいいのです!
$$\large{\sqrt{9-\sqrt{72}}}$$
$$\large{=\sqrt{9-\sqrt{4\times 18}}}$$
$$\large{=\sqrt{9-2\sqrt{18}}}$$
このように\(\sqrt{72}\)の中から4という数を見つけて、外に出してやります。
すると二重根号ははずせる式の形を作り出すことができました(^^)
ここまで準備が整えば、先ほどと同じように解いていけそうですね。
$$\large{\sqrt{9-2\sqrt{18}}}$$
$$\large{=\sqrt{(6+3)-2\sqrt{6\times 3}}}$$
$$\large{=\sqrt{6}-\sqrt{3}}$$
答え
$$\large{\sqrt{6}-\sqrt{3}}$$
(3)2を作り出すパターン②
この式も二重根号をはずすことができる形になっていません。
式を簡単にするためには\(\sqrt{3}\)の前が2になっていないといけませんね。
ということで、今回もちょっとだけ式を変形していきます。
$$\large{\sqrt{7+4\sqrt{3}}}$$
$$\large{=\sqrt{7+2\times 2\sqrt{3}}}$$
$$\large{=\sqrt{7+2\sqrt{4\times3}}}$$
$$\large{=\sqrt{7+2\sqrt{12}}}$$
このように、\(\sqrt{3}\)の前についていた4を2だけが残るように余分なものはルートの中に入れてしまいます。
すると、二重根号がはずせる形が完成しましたね。
ここからは通常通りの変形です!
$$\large{\sqrt{7+2\sqrt{12}}}$$
$$\large{=\sqrt{(3+4)+2\sqrt{3\times 4}}}$$
$$\large{=\sqrt{4}+\sqrt{3}}$$
$$\large{=2+\sqrt{3}}$$
答え
$$\large{2+\sqrt{3}}$$
(4)2を無理やり作り出せ!
これの式も二重根号をはずすための2がついていません。
だから、ちょっと式変形をしていく必要があるのですが…
困ったことに、\(\sqrt{15}\)を整理しても2を作り出すのが難しそうです…
こういう場合にはどうすればいいかというと
強引に2を作り出します!
具体的にはこんな感じ!
$$\large{\sqrt{4-\sqrt{15}}}$$
$$\large{=\sqrt{\frac{8-2\sqrt{15}}{2}}}$$
分母に2を持ってきて、分子を2倍します。
こうすることによって、かなりムリヤリ感がありますが
\(\sqrt{15}\)の前に2を作り出すことに成功しました。
そして、ここから式を簡単にしていきます。
$$\large{\sqrt{\frac{8-2\sqrt{15}}{2}}}$$
$$\large{=\frac{\sqrt{8-2\sqrt{15}}}{\sqrt{2}}}$$
$$\large{=\frac{\sqrt{(5+3)-2\sqrt{5\times 3}}}{\sqrt{2}}}$$
$$\large{=\frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{2}}}$$
ここまできたら、あとは有理化!
$$\large{=\frac{(\sqrt{5}-\sqrt{3})\times \sqrt{2}}{\sqrt{2}\times \sqrt{2}}}$$
$$\large{=\frac{\sqrt{10}-\sqrt{6}}{2}}$$
答え
$$\large{\frac{\sqrt{10}-\sqrt{6}}{2}}$$
まとめ
お疲れ様でした!
これでルートの中にルートが入っている二重根号のはずし方についてはバッチリのはず(^^)
最後にもう一度、変形の形を確認しておきましょう。
$$\large{\sqrt{(a+b)+2\sqrt{ab}}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$$
$$\large{\sqrt{(a+b)-2\sqrt{ab}}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$$
$$(ただし、a>b)$$
このようにルートの前に2がついていないと変形することができませんでした。
そのため、2がついていない式に関しては
今回解いた(2)~(4)の問題のように変形をする必要があります。
まぁ…テストや入試に出題されるような問題の場合
最初から2がついているような基本問題は少ないでしょうね。
しっかりと変形の仕方を覚えておきましょう(/・ω・)/
ほかのサイトではあまり、「大きい数から小さい数を引く」ということは書かれていなかったのでこのサイトでは書かれていて嬉しかったです。やっと理解することができました。ありがとうございます。
それは良かったです!!
よくミスが起こる箇所だったので
数式ではなく、あえて言葉で表現してみました。
お役に立てて嬉しいです(^^)
他のサイトは分からなかったけど、分かりやすくて似ている問題も解くことが出来ました。
分かりやすく解説して下さり、ありがとうございました。
この問題はややこしいところですからね
ちゃんと理解してもらえてよかったです^^