こんにちは!数スタの小田です。
今回は数学Ⅰで学習する因数分解の単元から
「複二次式の因数分解」
について取り上げていきます。
複二次式とは、\(ax^4+bx^2+c\) のような形になっている式のことをいいます。
そして、この複二次式を因数分解する場合
大きく分けて解き方は2通りあります。
- \(x^2=X\) として置き換えを利用する。
- 平方の差を作る。
【問題】ニューアクションβより
次の式を因数分解せよ。
(1)\(x^4-10x^2+9\)
(2)\(x^4-7x^2+1\)
(3)\(x^4+x^2y^2+y^4\)
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(1)の解説!置き換えを利用して2次式にする。
複二次式の因数分解では、まず置き換えを考えてみましょう。
このように、\(x^2=X\)とおくことにより、見慣れた形の二次式にすることができました。
$$\begin{eqnarray}&&x^4-10x^2+9\\[5pt]&=&X^2-10X+9\\[5pt]&=&(X-9)(X-1)\\[5pt]&=&(x^2-9)(x^2-1)\\[5pt]&=&(x+1)(x-1)(x+3)(x-3)\cdots(解) \end{eqnarray}$$
答え
$$(x+1)(x-1)(x+3)(x-3)$$
複二次式では、まず\(x^2=X\)とおいて二次式に変換することを考えてみましょう。
二次式に変換したとき、そこから因数分解ができるようであればそのまま進めていけばOK。
置き換えをしたのに因数分解ができない!?
という場合には、次で紹介する(2)のやり方をやっていきましょう。
(2)の解説!平方の差をつくる。
今回の問題では、(1)のように置き換えを利用すると
\(x^4-7x^2+1=X^2-7X+1\) となり、
…因数分解できないけど!!
と、困ったことになってしまいます(^^;)
こういう場合には、平方の差を作って因数分解を進めていきます。
平方の差とは、次のような形のことをいいます。
二乗ひく二乗の形を作ることができれば、上のように因数分解ができるようになりますね。
ということで、
置き換えを利用しても因数分解ができない複二次式については、
なんとか式変形をしながら、平方の差を作ることを考えていきます。
ここの式変形が慣れるまでは、ちょい難しいので
よく見ておいてくださいね!
まずは、\(x^4\)と\(1\)に注目をします。
$$\begin{eqnarray}x^4-7x^2+1=\color{red}{x^4+1}-7x^2 \end{eqnarray}$$
そして、\(x^4+1\)の部分が\(( )^2\)の形になるためには、どんなパーツが必要になるかを考えます。
すると、\(+2x^2\) または \(-2x^2\) であることが分かります。
これらのパーツを式の中に組み込んだとき、平方の差ができるのは\(+2x^2\)だと分かりますね。
このように、平方の差になるパターンを見つけることができれば、あとは因数分解を進めていくだけです。
$$\begin{eqnarray}&&x^4-7x^2+1\\[5pt]&=&(x^4+2x^2+1)-9x^2\\[5pt]&=&(x^2+1)^2-(3x)^2\\[5pt]&=&\{(x^2+1)+3x\}\{(x^2+1)-3x\}\\[5pt]&=&(x^2+3x+1)(x^2-3x+1)\cdots(解) \end{eqnarray}$$
答え
$$(x^2+3x+1)(x^2-3x+1)$$
平方の差を作る変形は理解してもらえたかな??
この変形については、たくさんの問題を解いて慣れていくといいよ!
記事下に練習問題を入れているので、そこで練習しておこうね!
(3)の解説!迷わず平方の差!
こちらの問題も(2)と同じく平方の差を利用していきます。
平方の差ができるパターンを見つけて因数分解を進めていきましょう。
$$\begin{eqnarray}&&x^4+x^2y^2+y^4\\[5pt]&=&(x^4+2x^2y^2+y^4)-2x^2y^2+x^2y^2\\[5pt]&=&(x^2+y^2)^2-(xy)^2\\[5pt]&=&\{(x^2+y^2)+xy\}\{(x^2+y^2)-xy\}\\[5pt]&=&(x^2+xy+y^2)(x^2-xy+y^2)\cdots(解) \end{eqnarray}$$
答え
$$(x^2+xy+y^2)(x^2-xy+y^2)$$
複二次式の因数分解【練習問題】
次の式を因数分解せよ。
(1)\(x^4-13x^2+36\)
(2)\(x^4+x^2+1\)
(3)\(x^4-7x^2y^2+y^4\)
(4)\(4x^4+1\)
まとめ!
お疲れ様でした!
複二次式の因数分解では、まず置き換えを考えてみること。
置き換えを利用しても因数分解がムリであれば平方の差を作る。
ということでした。
平方の差を作る式変形については、
今回の記事を通して、しっかりと身につけておいてくださいね!
高校数学で学習する因数分解は他にもたくさんあります。
こちらの記事でまとめているので参考にしてみてね(/・ω・)/
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