【数学Ⅱ】極限値からの係数決定、なんで分子が0になるの?

今回は数学Ⅱで学習する微分積分の単元から

「極限値からの係数決定」

について学習していきましょう。

 

【問題】(ニューアクションβより)

\(\displaystyle \lim_{ x \to 2 } \frac{x^2+ax-b}{x-2} = 5\) のとき、定数\(a,b\) の値を求めよ。

 

この問題では、分子の極限値が0になることを利用して求めていきます。

ですが、なんで分子が0になるの?

という疑問を抱く人が多いと思います。

なので、その辺を詳しく解説しながら問題を解いていきますね!

 

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分子の極限値が0になることを利用して解く。

【問題】(ニューアクションβより)

\(\displaystyle \lim_{ x \to 2 } \frac{x^2+ax-b}{x-2} = 5\) のとき、定数\(a,b\) の値を求めよ。

 

まず分母の極限値を求めてみましょう。

すると…

\(\displaystyle \lim_{ x \to 2 } (x-2) = 0\)

あれ、分母が0になる…

計算ができないぞ、困ったな…

という状況になってしまいます。

 

 

ですが、分母の極限値が0になる…といったピンチを

チャンスに変えることができます!

 

分子の極限値を次のように考えてみましょう。

 

分母の極限値が0になることを利用すると、

分子の極限値も0になることが導けるのです!

 

\(\displaystyle \lim_{ x \to 2 } (x^2+ax-b) = 0\) になることが分かったので、

$$\begin{eqnarray}\displaystyle \lim_{ x \to 2 } (x^2+ax-b) &=& 0\\[5pt]4+2a-b&=&0\\[5pt]b&=&2a+4 \end{eqnarray}$$

という式を作ることができます。

これを元の式に代入して計算していくと、

問題文より、今求めた\(4+a=5\) になるはずだから

\(a=1\) となります。

 

最後に、\(a=1\) を\(b=2a+4\) に代入すると

\(b=2+4=6\) となります。

 

答え

$$a=1,b=6$$

 

今回の問題でのポイントは、

\(\displaystyle \lim_{ x \to a } \frac{f(x)}{g(x)} = k(定数)\) において、

分母の極限値が0( \(\displaystyle \lim_{ x \to a }g(x) = 0\) )になる場合

⇒ 分子の極限値も0( \(\displaystyle \lim_{ x \to a }f(x) = 0\) )になる!

という点ですね。

 

その理由については、上の式変形をしっかりと覚えておいてくださいね(^^)

では、類似問題を解いて理解を深めておきましょう!

練習問題に挑戦!

【問題】(ニューアクションβより)

\(\displaystyle \lim_{ x \to 1 } \frac{x^2+ax+b}{x^2-1} = 2\) のとき、定数\(a,b\) の値を求めよ。

解説&答えはこちら

答え

$$a=2,b=-3$$

\(\displaystyle \lim_{ x \to 1 } (x^2-1) = 0\) となるので、

分子の極限値も0になります。

よって、

$$\begin{eqnarray}\displaystyle \lim_{ x \to 1 } (x^2+ax+b) &=& 0\\[5pt]1+a+b&=&0\\[5pt]b=-a-1 \end{eqnarray}$$

$$\begin{eqnarray}\frac{2+a}{2}&=&2\\[5pt]2+a&=&4\\[5pt]a&=&2 \end{eqnarray}$$

\(a=2\) を \(b=-a-1\)に代入すると、

\(b=-2-1=-3\) となります。

 

まとめ!

お疲れ様でした!

今回の問題では、分子の極限値が0になることを利用する。

これが最大のポイントでしたね。

 

なぜ分母の極限値が0になると、分子の極限値も0になるのか。

これについては、

 

こちらの式変形を理解しておけば大丈夫ですね!

 

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