今回は数学Ⅲで学習する微分法の単元から
『対数(log)の微分』
について解説していきます。
対数を微分していく上で覚えておきたい形がコレ
$$( \log|x|)’ = \frac{1}{x}$$
$$(\log_a|x|)’=\frac{1}{x\log a}$$
それでは、例題を通してlogの微分について理解を深めていきましょう。
log微分の例題解説!
次の関数を微分せよ。
$$y=\log3x$$
〈解答〉
$$y’=\frac{(3x)’}{3x}=\frac{3}{3x}=\frac{1}{x}$$
別解として
\( y=\log3x=\log3+\log x \)
このように分けてから微分する方法もあります。
$$y’=0+\frac{1}{x}=\frac{1}{x}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\log(x^2+1)$$
〈解答〉
$$y’=\frac{(x^2+1)’}{x^2+1}=\frac{2x}{x^2+1}$$
分数の形を作る ⇒ 真数の微分を掛ける
この手順でOKですね!
次の関数を微分せよ。
$$y=\log_2|2x|$$
〈解答〉
底がある場合には
$$(\log_a|x|)’=\frac{1}{x\log a}$$
を利用していきましょう。
$$y’=\frac{(2x)’}{2x\log 2}=\frac{1}{x\log 2}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\log_a(x^2-1)$$
〈解答〉
$$y’=\frac{(x^2-1)’}{(x^2-1)\log a}$$
$$=\frac{2x}{(x^2-1)\log a}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\log \sqrt{x^2-1}$$
〈解答〉
$$y=\log (x^2-1)^\frac{1}{2}=\frac{1}{2}\log (x^2-1)$$
このように変形してから微分していくと簡単になります。
$$y’=\frac{1}{2}\frac{(x^2-1)’}{x^2-1}$$
$$=\frac{1}{2}\frac{2x}{x^2-1}$$
$$=\frac{x}{x^2-1}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=(\log x)^3$$
〈解答〉
$$y’=3(\log x)^2(\log x)’$$
$$=3(\log x)^2\cdot \frac{1}{x}$$
$$=\frac{3(\log x)^2}{x}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=(x\log x-x)^2$$
〈解答〉
$$y’=2(x\log x-x)(x\log x-x)’$$
$$=2(x\log x-x)(\log x+x\frac{1}{x}-1)$$
$$=2(x\log x-x)(\log x+1-1)$$
$$=2(x\log x-x)(\log x)$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\log(\sin x)$$
〈解答〉
$$y’=\frac{(\sin x)’}{\sin x}$$
$$=\frac{\cos x}{\sin x}$$
三角関数の微分を忘れちゃった人は確認しておいてね!
$$(\sin x)’=\cos x$$
$$(\cos x)’=-\sin x$$
$$(\tan x)’=\frac{1}{\cos^2 x}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\log|\tan x|$$
〈解答〉
$$y’=\frac{(\tan x)’}{\tan x}$$
$$=\frac{1}{\tan x}\cdot \frac{1}{\cos^2 x}$$
$$=\frac{1}{\frac{\sin x}{\cos x}}\cdot \frac{1}{\cos^2 x}$$
$$=\frac{1}{\sin x\cos x}$$
最後の式変形がちょっと面倒だけど頑張って!
次の関数を微分せよ。
$$y=\log(e^x+1)$$
〈解答〉
$$y’=\frac{(e^x+1)’}{e^x+1}$$
$$=\frac{e^x}{e^x+1}$$
指数の微分を忘れちゃった方は確認!
$$(e^x)’=e^x$$
$$(a^x)’=a^x\log a$$
次の関数を微分せよ。
$$y=e^x\log x$$
〈解答〉
積の形になっているので
$$\{f(x)g(x)\}’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)$$
を用いて微分していきましょう。
$$y’=(e^x)’\log x+e^x(\log x)’$$
$$=e^x \log x +e^x\cdot \frac{1}{x}$$
$$=e^x \left( \log x +\frac{1}{x} \right )$$
次の関数を微分せよ。
$$y=x^3\log x$$
〈解答〉
$$y’=(x^3)’\log x+x^3(\log x)’$$
$$=3x^2\log x+x^3 \frac{1}{x}$$
$$=3x^2\log x +x^2$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\log (\log x)$$
〈解答〉
$$y’=\frac{(\log x)’}{\log x}$$
$$=\frac{1}{\log x}\cdot \frac{1}{x}$$
$$=\frac{1}{x\log x}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\sin (\log x)$$
〈解答〉
$$y’=\cos (\log x) \cdot (\log x)’$$
$$=\frac{\cos (\log x)}{x}$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\log \frac{2x-1}{2x+1}$$
〈解答〉
分数になっているから難しそうに見えますが
$$\log \frac{A}{B}=\log A – \log B$$
これを用いて変形すると簡単に微分ができるようになります。
$$y=\log \frac{2x-1}{2x+1}=\log (2x-1)- \log(2x+1)$$
$$y’=\frac{(2x-1)’}{2x-1}-\frac{(2x+1)’}{2x+1}$$
$$=\frac{2}{2x-1}-\frac{2}{2x+1}$$
$$=\frac{2(2x+1)}{(2x-1)(2x+1)}-\frac{2(2x-1)}{(2x-1)(2x+1)}$$
$$=\frac{4}{(2x-1)(2x+1)}$$
対数微分法を用いた例題
次の関数を微分せよ。
$$y=x^x (x>0)$$
〈解答〉
パッと見た感じ、logを使うようには見えないんだけど
今回の関数を微分するためには対数微分法というやり方を用います。
まずは、底\(e\)とする対数を両辺にとります。
$$\log y=\log x^x$$
$$\log y=x\log x$$
ここから両辺を微分すると
$$\frac{y’}{y}=\log x+1$$
両辺に\(y\)を掛けると
$$y’=y(\log x +1)$$
\(y=x^x\)であるから
$$y’=x^x(\log x +1)$$
となりました。
\(\displaystyle{(\log y)’=\frac{y’}{y}}\)の部分が理解しにくいところではあるのですが
$$(\log 3x)’=\frac{(3x)’}{3x}$$
見た目はちょっと違えど、これとやっていることは同じだよね
\(y\)を分母に持ってきて、\(y’\)を掛ける。
それでは、このように対数微分法を用いて解いていく例題をいくつか紹介しておきます。
次の関数を微分せよ。
$$y=x^{\log x} (x>0)$$
〈解答〉
$$\log y=\log (x^{\log x})$$
$$\log y=\log x \cdot \log x$$
$$\log y =(\log x)^2$$
$$\frac{y’}{y}=2\log x (\log x)’$$
$$\frac{y’}{y}=\frac{2\log x}{x}$$
$$y’=y\cdot \frac{2\log x}{x}$$
$$y’=\frac{2x^{\log x}\log x}{x}$$
$$y’=2x^{\log x -1}\cdot \log x$$
次の関数を微分せよ。
$$y=\frac{(x-3)^4}{(3x+1)^2(x^2-2)^3}$$
〈解答〉
$$\frac{y’}{y}=\frac{4}{x-3}-\frac{6}{3x+1}-\frac{6x}{x^2-2}$$
$$\frac{y’}{y}=\frac{2(-6x^3+35x^2+3x-22)}{(x-3)(3x+1)(x^2-2)}$$
$$y’=y\cdot \frac{2(-6x^3+35x^2+3x-22)}{(x-3)(3x+1)(x^2-2)}$$
$$y’=-\frac{2(x-3)^3(6x^3-35x^2-3x+22)}{(3x+1)^3(x^2-2)^4}$$
まとめ
お疲れ様でした!
これでlogの微分はバッチリですね
対数微分法はとっても便利なやり方になるから
お世話になることも多いでしょう(^^)
logの微分は、分数にして微分を掛ける!
以上だ(/・ω・)/
間違ってますよ
ご指摘ありがとうございました!
e^xの部分ですかね?訂正しておきました。
3問目間違ってませんか?勘違いだったらすみません
すみませんでしたぁぁぁ!!
直しておきました!!
ご指摘ありがとうございますm(__)m